聞き書き『モガ・鹿乃ちゃんの百年―1945年8月15日』

モガ鹿乃ちゃん1

今日、8月15日は敗戦記念日。日本が太平洋戦争に負けた日だ。夕食を鹿乃子とともにしながら68年前の今日のことを聞いた。鹿乃子は夫・吉田謙吉、長女・珠江(私)とともに、内蒙古の首都・張家口にいた。謙吉は前日の14日には現地の新聞社(蒙彊新聞―もうきょうしんぶん)で敗戦を知っていた。が、「周りの人に言うわけにいかないからね。隣の人には黙っていた。だって、日本が負けたなんて私たちが言ったら何されるかわからないからね」。母によれば、張家口の日本人たちは、贅沢ではないが生活にも困らず、日本政府にしっかり守られていたから、のんびりしていたそうだ。「正午にラジオで重大発表があるから一緒に聴きましょう」と誘われ、放送が終わると隣人は「え?なんだ、日本は負けたのか?」と言ったという。 2013年8月15日夜7時半。(99歳8か月) 

NHKの街頭インタビューによれば、終戦記念日を答えられなかった人が三人に一人にのぼったそうだ。

内蒙古・張家口に行ったいきさつ、暮らしなどは後日に。