吉田謙吉と銀座モダン

 昨年(2012年)に『父・吉田謙吉と昭和モダン』という本を出版しました。
(装丁・平野甲賀 草思社 2800円+税)
日本の新劇の草分け「築地小劇場」の創立(大正13年)から宣伝部員として参加し、斬新な舞台装置とポスターを数多く手がけた人物です。また、今和次郎とともに「バラック装飾社」「考現学」をはじめたことでも知られています。知られている、といっても建築や街の観察などに関心があるマニアックな世界かもしれません。
その吉田謙吉の生き方、仕事について書いたものです。

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 明治30年(1897)日本橋浜町生まれの謙吉は、昭和57年(1982)85歳で亡くなるまで、無声映画の字幕、美術、舞台装置、衣裳デザイン、店舗内装、考現学、随筆、短歌、水墨画、紀行文など、「なんでも屋」を自称するほど多岐にわたり仕事をした。60歳過ぎてからはパントマイムを日本に根づかせたいと「日本パントマイム協会」をつくり脚本まで書いた。その謙吉の仕事と生き方を織り交ぜながら、『・・・昭和モダン』では書ききれなかった大正昭和の銀座を中心にした仕事と生き方を綴っていきます。