大邱マンガ旅日記1日目の2

マンガ大邱表紙AS

絵 湯村泰子(ゆむら たいこ)
写真・文 塩澤珠江(しおざわ たまえ)
大邱広域市 コーディネーター 丸山雅子
(大邱広域市観光文化財課 日韓通訳)

 

韓国の蓮根の大産地「半夜月」へ。
マンガ大邱11S

蓮根掘りの方法は大まかにいうと2種類あり「水掘り」と「鍬―クワ掘り」がある。日本でも地域によっては半夜月と同じ掘り方をする。

半夜月蓮田

遠くにマンション群をのぞむ蓮田。ちなみに夏の光景を観光課から拝借した。

半夜月蓮田夏S
夏には「蓮まつり」が行われるそうだ。
食材としての蓮根栽培の地域なので、漢方材(蓮の実、蓮芯)は栽培していないとのこと。細い地下茎(ランナー)は輪切りにして乾燥、炒ってお湯にいれて飲む「蓮根茶」にしている。炒り方までは伺わなかったが、香ばしくて大変美味しかった。

半夜月クワ掘りS
一節が長いタイプの蓮根。一本一本手で掘りだす。蓮田の土は粘土質なのでとても重い。
ちなみに日本の「水掘り」はこんな風にする。写真は9月初旬、静岡県で撮ったもの。

水掘りS
水圧の強いポンプで蓮根が埋まっている近辺の泥を飛ばし、手探りで蓮根を掘りだす。
どちらの方法も大変な作業である。

大邱マンガ旅日記1日目の1

マンガ大邱表紙AS

 

 

 

 

絵 湯村泰子(ゆむら たいこ)
写真・文 塩澤珠江(しおざわ たまえ)
大邱広域市 コーディネーター 丸山雅子
(大邱広域市観光文化財課 日韓通訳)

KTX(韓国高速鉄道)で大邱へ
マンガ大邱8S

KTX釜山から大邱へ車窓からS車窓から黄葉の山々を眺める。

KTX車中でスケッチ中S乗車時間45分なれど、スケッチ開始・・・

大邱(テグ)市の正式名は大邱広域市。「大きな原野」という意味で、繊維、金属、そして蓮根とリンゴの産地。リンゴの品質はアジアでも有名らしい。
これから2日間お世話になる観光文化財課の丸山雅子さんと無事に会えた。
先ずは「幸せの韓果」というちょっとドラマティックな名前のお菓子屋さんへ。
マンガ大邱9S

蓮根を使ったお菓子が色々積まれている。ウイークデーのせいかガランとした店内で目に入ったのが手描きののれん。裏側に回ってみたら風に揺れないよう魚の形のおもりが下がっていた。なかなか洒落っ気がある。

幸せの韓果のれん裏S

幸せの韓菓1S左はさくっとした食感のお菓子。いくらでも食べられそう。右はお茶うけにぴったりのしっかりした味の蓮根菓子。お皿は翌日行った陶器屋さんで買ったもの。
器いっぱいにたっぷり盛るのが韓国式だが、蓮の模様を生かしたいので、余白をのこした日本式の盛り方で。

マンガ大邱10S
昼食は、これまたドラマティックな「蓮の香のとどまる庭」と言う名のお店へ。

「蓮の香がとどまる庭」全景S
外壁に描かれた蓮の花がお出迎え。

「蓮の香がとどまる庭」ランチョンマットS
ランチョンマットにも蓮の花が・・・

{蓮の香がとどまる庭」店内蓮根の絵 大胆に壁に描かれた巨大な蓮根!

大邱広域市の旅、まだ半日です。

つづく。

『モガ鹿乃ちゃんの百年―全て世は事も無し』

モガ鹿乃ちゃん2

 

 

文字通り今日は鹿乃子が生まれて百年。
格別のこともなく日が暮れていきました。午後は車で10分ほど離れた「寺家ふるさと村」へ散歩に。木立の中にあるカフェでお茶をしました。

2014年11月22日ふるさと村
そのお店につくまでには、坂あり階段ありなのですが、ゆっくりゆっくり登って到着。
ロイヤルチャイとワッフルをいただきました。

のんびり帰宅してフッとよぎったのが、タイトルにした一節。
「何の詩だっけ、思い出せない」。

時は春、
日は朝(あした)、
朝は七時、
片岡に露みちて、
揚雲雀(あげひばり)なのりいで、
蝸牛(かたつむり)枝に這い、
神、空に知ろしめす。全て世は事も無し。

(ブラウニング「春の朝」上田敏・訳詩集『海潮音』1905)

春ではなく、初冬だけれど・・・

 

今和次郎の「修業」

モガ鹿乃ちゃん2

 

 

鹿乃子用の小さな木製の古い机には、虫眼鏡、メモ用の紙、鉛筆、何度も読み返している読みかけの本などが置いてある。昭和44年刊行の『続 美しい老年期』を見つけた。「新しい老年生活の曙」という<座談会>(今和次郎・田中千代・杉村春三・東畑朝子)のなかで、今和次郎の言葉に惹かれた。

― 今先生のそもそものご専門は何だったのでしょうか?
― 自分でもわからんのですよ(笑)。育つのに20年、絵画に10年、農村を歩いて10年、建築に10年、衣服10年、家政学10年、哲学に10年、それで80年経ったわけです。私は絵描きの学校を出たので、いまでも道楽に絵を描いていますよ。早稲田では建築を教えていましたがこれは門前の小僧です。いまは商売もおもしろいと思って勉強しているのです。私は老人になっても、いつまでも好奇心を行使しなくちゃならんということを念願としています。たれでも好奇心は大切だといいながら、それを豊かに育てる修業をおろそかにしていると思うのです。(後略)

今和次郎著『草屋根』今和次郎著『草屋根』 (昭和21年・乾元社)

今 和次郎(こん わじろう)は、民俗学研究者。 民家、服装研究などで業績があり、「考現学」を提唱し、建築学、住居生活や意匠研究などでも活躍した。 東京美術学校出身の画家でもあった。昭和5年刊行の『考現学モデルノロヂオ』(春秋社)は鹿乃子の夫となった吉田謙吉と共著。

鹿乃子は明日、百一歳をむかえる。朝食の時の会話。
「お母さん、明日お誕生日会するからね」「あら、そう、アタシは幾つになるの?」
「幾つだと思う?」「うーん、うーん、百一歳?」パチパチパチ(拍手)「正解!」。
「長生きするのも大変だよ。いや、アタシはいいんだけどね、周りがね。転ばないように、とかネ」「自分で死ぬわけにいかないからネ。長生きするのも大変なんだヨ」。

 

 

 

 

 

釜山マンガ旅日記

マンガ大邱表紙AS

 

 

 

 

 

絵・湯村泰子(ゆむら たいこ)
文・写真 塩澤珠江(しおざわ たまえ)

エアー釜山とロッテ免税店。
マンガ大邱5S
湯村さん機内でスケッチ中S

 

 

 

 

 

短い搭乗時間でもセッセとスケッチ。

格安ツアーなので、フリープランなれど空港からホテルに行く前に免税店に送り込まれました。

私たちは免税店で扱っている商品には関心がないため、売場を一回りしてパウダールームで休憩。あ、そうだ!次女に「お土産は化粧品系が欲しいな~」と言われたのを思い出し、私はパック売場へ。パック成分に流行があるとはさすがコスメ王国、知らなかった。「かたつむり」か「蜂」か「毒蛇」か迷っている間、湯村さんはパウダールームで機内スケッチの色仕上げ。女性買い物客がいっぱいいるのに、パウダールームはガラガラ。

ロッテ免税店パウダールーム2Sスタッフが覗きこんでマンガにニコニコ。

さて、釜山のホテルにチェックイン。

マンガ大邱6S
サムギョプサル2食べる前にスケッチ!お店の元気なおばちゃんが手際よく焼いてくれました。

猫舌の私はスケッチが終わるまでビールを飲みながら店内観察。
お客さんがいっぱいで、活気があり、なんだか嬉しくなってしまう店でした。
サムギョプサルが売りの店で、白菜キムチもモヤシキムチも焼きます。韓国料理は体も心もあったかくなる、を実感。

さて、翌朝、ホテルから地下鉄に乗り釜山駅へ。そして新幹線に乗って大邱へ。ガイドもいない旅なので地下鉄に乗るのも緊張する。ハングル文字が分からない・・・
マンガ大邱7S

町の人たちはとても親切で、地下鉄駅の階段上で湯村さんを待っていたら、若者が3人も大きなスーツケースを運ぼうとしてくれました。お願いしてしまうと湯村さんと会えなくなるので、丁重にお断りしました。でも、感謝!

KTXチケットを購入中の湯村さん

 

 

 

 

 

 

新幹線のチケット購入中の湯村さん。

チケット無事購入!お腹が空いた!駅の食堂で朝からキムチつき定食。美味しかった~。

釜山駅朝食1
釜山駅朝食2

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、腹ごしらえも済み、KTXに乗り込みましょう。

*釜山の読み方については、下記を参考になさってください。
韓国・釜山の読み方は変更になったのでしょうか? 【OKWave】

つづく。

韓国・大邱マンガ旅日記No1

マンガ大邱表紙AS

絵・湯村泰子(ゆむら たいこ) 文・写真 塩澤珠江(しおざわ たまえ)

1年前のちょうど今日、マンガの湯村泰子さんと大邱(テグ)へ出かけました。
相変わらず「蓮」をもとめての旅です。大邱は韓国内の蓮根シェアー率が30%以上と言われている地域で、朝鮮半島南部の港・釜山からは新幹線で一駅です。
いつも格安ツアーのフリープランを利用します。旅行社とコーディネーターは全てネットで湯村さんが探し出し、ご当地で何をしたいか?調べたいか?は塩澤がプランを組む、という絶妙なコンビです。どうぞお楽しみください。

マンガ大邱1w300

マンガ大邱2w300マンガ大邱3w300これまでの蓮の旅は蓮の花が咲いている暑い季節だったので、冬支度で出かけるのは初めてでした。さて、どんな蓮情報に出会えるか・・・プランを立てているときから楽しい・・・。

マンガ大邱4w300つづく。

聞き書き『モガ鹿乃ちゃんの百年―ツジバイオリン』

モガ鹿乃ちゃん2

 

 

週2回通っているデ―サービスではコーラスの時間がある。歌詞カードを見ながら唱歌を皆で歌うのだが、若い頃に覚えた歌は80年以上経っても忘れないようだ。
11月20日には家族を呼んで発表会があるので、介護士の方たちも熱心に指導してくださっているらしい。

昨日の散歩の折り「どんな歌を練習しているの?」と聞いてみたら「そんなこと、いきなり聞かれたって分からないヨ」とつれない返事。5分ほど歩いているうちに「あー、そうだ」といきなり「♪ギーンザノヤーナギィ」と歌いだし、2番まで歌い通す。ギンザノヤナギの部分だけは私も知っていたが歌い出しも知らなかったし、後が続かない。「よく知ってるねー」「あら、珠江ちゃんは知らないの?」「・・・・・・」。

歌い終わると「子どもの頃、お兄さんに四谷の露天に連れられてよく行ったヨ。ツジバイオリンがいてね、そのときの流行り歌を歌って、歌詞を書いた紙を売るんだけど、簡単な歌はすぐに覚えられるから、紙は売れないネ」
「ツジバイオリン?」「バイオリンを弾く人と、歌う人と二人でひと組の辻バイオリン」。今でいう路上ライブ。
「どの家にもラジオがあったわけじゃないから、流行りの歌は辻バイオリンで聴いたり覚えたりしたよ」。

露天では「かき氷」も売っていて、兄は時々ご馳走してくれた。砂糖水をかけた「氷すい」は五銭、いちごシロップは十銭、小豆がのったのは十五銭。兄がご馳走してくれるのはいつも氷すいだった。「本当はね、小豆のが食べたかったけど、そんなこと言えないからね。今の子どもたちは、アレが食べたい、コレが食べたいってって言うけど、昔はね、そんなことは言えなかったよ」。

「銀座の柳」はいつのまにか「氷すい」の世界になっていく。

銀座の柳(1932年)
作詞:西条八十
作曲:中山晋平
歌唱:四家文子
制作:滝野細道

(一)
植えてうれしい 銀座の柳
江戸の名残りの うすみどり
吹けよ春風 紅傘日傘
今日もくるくる 人通り

(二)
巴里のマロニエ 銀座の柳
西と東の 恋の宿
誰を待つやら あの子の肩を
撫でてやさしい 糸柳

 

 

 

小沼直晴写真展 蓮・女神・子ども達

小沼さん写真展
カンボジア・シェムリアップ市にあるアンコール遺跡のレリーフには、蓮を手に持つ女神が多く彫られ、蓮の花が天井をうめつくしている回廊もあります。また、アジア最大のトンレサップ湖の近くには蓮田が広がり、訪れる人を楽しませています。
小沼直晴さんは美術家の目と心でシェムリアップを拠点にアジアを旅していますが、今回は蓮をテーマにした写真を展示いたします。

ギャラリー・トーク&カンボジア民話の朗読 11月8日(土)16:00~(無料)
・小沼直晴 カンボジアの子どもたち
・曳田 宏 カンボジアの民話朗読
40年間保育士をしながら、木の玩具作り、童話、朗読などの活動を続けている。

・終了後、ギャラリーで懇親会を致します。お時間の許す方は是非ご参加くださいませ。(会費2000円 カンボジア&アジア料理・アルコールつき)
・参加される方はご連絡をお願い申し上げます。

tokinokaze@nifty.com